2011年12月28日水曜日

年末年始のお知らせ

当社業務は、12/29(木)~1/3(火)まで年末年始休暇といたします。



新年は1/4(木)からの業務開始となります。

皆様良いお年をお迎えくださいませ。

そして、年が明けましたら明るい笑顔でがんばっていきましょう。


よろしくお願いいたします。

㈱景観プランニング 一同

2011年12月24日土曜日

最近のLED街路灯は明るい

省エネが叫ばれる中、LEDを用いた街路灯に大きな変化が見られてきています。

数年前は、LED街路灯は暗いというイメージがありましたが、最近のLED街路灯は明るいなと感じます。発光するLEDが明るくなっていることや、発行体(素子)をたくさん組み合わせて明るさ感を実現することができています。
写真の地面の様子をみても明るさ感がわかりますね。

業平橋・押上地区にある防犯街路灯(東京スカイツリー南側)

初期投資は、通常の水銀灯やメタルハライドランプと比べ割高かもしれませんが、維持管理コストを考えた場合は、消費電力の少なさや長寿命によるランプ交換回数の軽減、交換による作業コストの低減などでトータルで支出するコストは抑えることができます。

出来ることなら、初期投資を少し思いきってやり、その後の維持管理を軽減させていった方が、余計な労力やお金もかからずに済みます。

エコを考えながらも、必要な機能は確保していく。

先進した考えのあるところでは、新しい取り組みがどんどん進んでいます。

地方だから出来ないなんてことはありません。
発想を豊かにして新しい事へ取り組む姿勢。プランニングをする分野においても必要なことですね。

2011年12月17日土曜日

面の設計をすることに必要な要素のひとつ  かたち や おさまり のバランスセンスを常に磨くこと。

公園などの面的整備の設計は、道路や河川などの線的設計とは異なる部分があります。

前者は、ある意味建物(建築)でいう間取りや、形の綺麗さ、自然的さなどを求め、やわらかいところとかたいところをバランスよく配置する、あるいは組み立てることを求められます。

後者は、線形の美しさを求めることは共通の部分がありますが、どちらかというと機能面をしっかり重視し、デザイン面や表情の表現は、その次のことになってしまいがちです。


多くの人が集まる駅前などの空間においては、機能面を求めることと景観、環境面を求めることの双方の要素が必要となります。主要駅やターミナル駅では、その都市の顔ともなるべきところ(場所)ともなり、その表情がどうかであるかで、その都市が機能面重視の都市なのか、環境面も景観面も大切にする都市なのか(文化度が高い都市なのか)がわかります。


2011年12月16日金曜日

憩いの空間の花を大切に

公園や街の中の花壇や花植え場においては、それぞれの季節の花が植えられ空間に彩りを演出しています。

公園などでは、地元自治会のボランティアなどが働いている合間の貴重な時間を割いていただき、花植え活動などをして、社会貢献をしております。


モラルの問題についてここで述べたいと思いますが、
一部の方の行動により、貴重な、旬な、話題性のある花が盗掘されて(自宅に持ち帰ってしまうなど)残念な姿になっていることがあります。

その盗掘行動については、花を植えた方々への貴重な労力と気持ちを踏みにじることになります。


よく考えてみてください。

自分がせっかくキレイにつくったものを壊されたり、荒らされたりすると、怒りがこみ上げたり、残念な気持ちになることでしょう。


興味本心や安易な気持ちでそんなことしてはダメです。

何事もそうですが、形にすることはいろんな人の労力と気持ちが入っているのです。
お金を払っているから何やってもいい、荒らしてもいいという問題でもありませんね。


憩いの空間は、いろんな人の労力や気持ちが入ってできたものでもあり、みんなのものです。
特定の個人の持ち物ではないですから、みんなの財産は大切にしましょう。

2011年12月15日木曜日

空間を設計する場合、動線計画は大切な要素のひとつです。

公園や外構空間の設計で、大小にかかわらず考えなくてはいけないのが動線計画。

面の設計は、単純に構造物や施設を配置するのが計画というわけではありません。
人がどのように動くか、どのように動かしてその場の空間を楽しませることが出来るかなどを考えるのが動線計画であります。


考え方の例として

【エントランス等の広場の計画の場合】
この空間で何をさせたいか、何をやりたいかでも動線の計画は変わってきます。
広く空間を確保しなくてはいけないことと、動線の交錯するところ、しないところを整理する必要があります。 賑わいの空間にしたいのか、単純に人を通行させるだけの空間にしたいのかでも違いが生まれます。
直接的には関係しないことに見えますが、地域のなかで、その空間がどのような位置づけとなるのかも検討材料のひとつとなります。
空間を考えるという面では建築デザインの分野とも共通するところがあります。


【公園などの遊びの空間の場合】
子供たちの動きは、大人が考えているような単純なものではありません。細かくちょこちょこ動いたり、突然走り出したり...。
遊具の配置についても、単純に安全領域を確保して配置すればいいというものでもありません。
どのように、遊ぶのかまでも考えていく必要がある。
(安全領域についても、重複できるものと出来ないものがあります。)

配置するだけだから簡単じゃん。という人がいますが、そんな単純でもありません。
安全で楽しい遊びの空間をつくるには、遊びの特性を考慮して、動線計画や配置計画を行う必要があるのです。


理屈はわかっていても、この考えを形にしていくのは経験が必要です。
通常の土木設計や機械設計とは違い、機能面だけを追い求めるのではなく、空間を扱う分、憩いの空間を創出する目的もあることから、考えるツボが一般のものと異なるのが公園や外構などの空間設計なのです。

2011年12月14日水曜日

公園の設計は、道路設計の感覚だけでやってしまっては×?

公園空間の設計は、舗装などの固いものから、水道電気などのインフラ、植物などの生き物、遊びの空間の創出といった柔らかいソフト的なものが絡み合っている設計であります。

公園整備の先進地においては、これらの考えが発注者側および設計を請ける受注者側双方が特性を理解し設計が行われています。

地方都市においては、なかなか公園を主体として設計をする機会が無いことや、一般土木設計の会社が公園の設計を行うこととなってしまい、これらの考え方に偏りが生じた設計が出来てしまいます。


「ラウンディング」 という言葉
公園設計を行ったことがある技術者や大学でランドスケープ分野を学んだことがある学生であれば、当たり前のように聞く言葉も、地方だとまだまだ聞きなれないという技術者もいるのが現状です。

法面の設計で道路河川の土木的な考えでは、画一的な傾斜でびしっと決めるのが一般的ですが、造園的には、自然な心地よい法面形状を表現しなくてはならないところもあって、流動的な勾配設定が必要なこともあります。

園路の設計においては、自然のカーブを立体的にも表現することも必要なのですが、なにかぎこちないカーブになってしまったりも。

使う人が心地よいと感じる空間づくり、空間デザインが求められる のです。

道路などの土木設計の技術は用いても、そこに空間創造の感性を採り入れなければなりません。
そして、設計作業がテンポよく進むところとそうでないところのポイントが異なることろが一般土木設計と違うところです。
技術だけ知っていてもダメ、形を表現する能力や感性だけでもダメ、双方を操ることができる能力がないと公園などのやわらかいものの設計はうまく進みません。

形だけを重視した設計になってしまうと、インフラの取り合いなどに整合性がとれていなくどうやって工事をするの? ということもあります。

そして、形や風景を優先する、重視するところ、維持管理を優先するところなどをメリハリを持ってバランスよく取り込むことが求められます。


設計の かたいところ と やわらかいところ、びしっと決めるところ と そうでないところ の使い分けをバランスよく取り込み実践していくことが、公園などのランドスケープ分野、空間の設計に携わる技術者には必要なことです。
(設計技術的には、空間を阻害しなく風景や形を維持しつつも、利用や管理のしやすい公園づくりが求められます。バランスがなかなか難しい。熟練の技術を得ること と バランス感覚を常に養わなくてはなりません。理論だけでなく、実際に形にする表現力も必要です。知らない人からみれば簡単そうに見えても難しい、奥の深いものです。おさまりを程よく決められるというものでもあり。)


自然の空間やあそびの空間を表現する仕事でもありますので、自然がどのように生長していくか、こどもがどのように遊ぶことが出来るのか までを広く捉えて公園は設計をしていきます。

設計の仕事であっても、つくることがゴール地点でなく、活用される空間をつくり人々に利用され続けることまで目を向けて設計を進めることが究極のところ(ゴール地点)です。

かたちだけ でなく 使われ方へも目を向けること 大切ですね。

2011年12月11日日曜日

公園の空間づくり

【地形の変化を楽しむことが出来る公園づくりをもう一度みなおそう】

ラウンディングのある公園や高い丘のある公園は、普段フラットなところに住んでいる子供たちにとっては、面白みのある空間でもあり、上り下りのかけっこの出来る身体を鍛える、育む空間となりえます。
防犯の意味合いだけで、フラットな公園(地形の変化の無い公園)がつくられ、無表情な公園となりがちなのが、残念でなりません。
そして防犯面を考えるのであれば、フラットな地形でなくとも死角をつくらないことも可能でしょう。

せっかく公園をつくるのなら、面白い地形の変化や風景の変化が感じられる公園の方が、公園にいて楽しいはずですよね。
子供の目線からすれば、いろんな見え方の変化がある公園空間の方が楽しく遊ぶことができます。
公園で子供を見ていてもそうです。山や丘があれば登って普段 目にしない高いところから周りを眺めます。高いところから周辺を俯瞰(ふかん)することは、こどもに感動を与え、心身の成長にも寄与していることに繋がっていると感じます。

地域によって、フラットな公園の方がいい、地形の変化のある公園の方がいいといろんな考えが在るかと思います。ですから、全ての公園がフラットである必要はありません。地域の状況に応じて考え方(フラットにするべきか、そうでないべきか)を使い分けるべきです。


公園づくりに求めるもの...

それは、「あんぜん、あんしん」 の他に、公園空間の「たのしさ」 をもっと大切にできないかと思います。

面のみで面白い変化をもたらしても、縦断で(地形の高さ)の変化があるとないのでは、空間の面白さがだいぶ異なってきます。面のみの楽しさだけでは限界もあります。

せっかく公園をつくるのであれば、楽しいみんながたのしく、憩える公園をつくりましょうよ。

2011年11月25日金曜日

宇都宮市内のイチョウ

今日の宇都宮は天候にも恵まれ、心地よい陽気になっております。

宇都宮市役所南側のエントランス広場(地場材:大谷石が敷き詰められています。)

市内のイチョウの木も、葉が黄色く黄葉している状況です。
(ちなみに宇都宮市の木はイチョウです。)

市役所西側のイチョウ並木も黄葉しています。
青い空と黄色いイチョウ 季節の風景ですね。

まもなく、12月へ。日中は暖かくも、朝夕は冷え込んできています。

冬の足音が聞こえてきましたね。

2011年11月19日土曜日

自然環境との共存 ~自然再生についての考え方~

11/17、18と、当社社員において自然再生セミナーの講習会(研修)に参加してきました。

内容は、自然と人間のかかわり~自然との共生、里地里山環境にいたるところまで...。

講義を聞いていると、自然再生にかかわることだけでなく、まちづくりや現代の人々においての生活のことまで関連づいていることがよくわかります。

その中で、感じたことなどについて。

「田んぼ、里地里山の環境」の話
東洋の文化は、自然との共生により成り立っていた。
昔の田んぼには、カエルやドジョウが住んでおり、イナゴもいた。
最近の農業は害虫駆除を目的に農薬を使用し、稲を育てることだけを考えているが、昔の環境では、多様な生物の性質を利用し(共存し)、鳥が虫を食べるなどで、害虫の駆除を自然の食物連鎖で行っており、間接的には東アジア全域の野鳥の生息環境までも維持していることに繋がっている。
そして人間の生活環境、食料の自給にかかわるところまで。

そ ういえば、昔はイナゴをとって、イナゴのつくだ煮をつくったり、海から遠い山間部では鯉の甘露煮をつくり食することもしています。
里地里山環境、田んぼの環境で生まれる(半分自然の力で生産される)自然の恵みを余すことなく 頂くことにもつながり、食物のサイクルを回していたことにもなっています。

イナゴも湯で茹でると、エビみたくオレンジ色になる(そうです)。
形は受け付けない方もいると思うが、食するとイナゴの佃煮は実はおいしい!!

彼岸花が田んぼに植えられている光景もみられ、飢きんのときは球根を(毒抜きして)食していたということも...。

先人たちの、自然と共生しながら生きてきたことはある意味、エコに繋がっている感じがしました。


「自然環境全般」の話
自然再生という行為に関して、局所的にしか見ていない、ある意味特定のものだけをひいきにする状況が見られるが、これだと本来の自然再生とはいえません。
ある種の動植物や生息環境を保全しようとした場合においても、それと密接に関連する環境まで、広く見ないと、その目的としている環境の保全は出来なく、失敗してしまいます。

広い視野で、人間の生活文化のことや、公園が動植物の生息に与えている影響、都市づくりの観点も考慮して考えていくことが、人間と自然とのかかわりを考えていくことにも繋がってきています。

「いろんな相関関係を理解することが重要である。」ということがわかってきます。



【自然環境の再生の設計は?】
土木や造園などの実施設計においては、一般的考えでは、設計図を忠実に再現することに趣が置かれがちであります。
しかし、自然の再生ではその考えは通用しません。自然再生の分野では、設計はあくまでもそれをサポート、保全するものとしてとらえなくてはいけません。

どういうことか?

実際には、現場の日々変わっていく状況をみて、現場で最善の施工方法を探っていくことが重要なのです。設計は、あくまでも方向性を指し示すものであり、構造物の設置の位置を細かく限定するものではないのです。

自然再生の設計は、現地の調査から設計、そして施工(管理)まで含めて行うこと、日々の自然と関わる活動を通じて学んでいくことが重要で、机上だけではできないということがわかります。ある意味、基準だけ、土木造園技術だけを知っているだけではできない分野ともいえます。
農業に従事する方でしたら、普段の畑仕事や農作業の実務が活かせることでしょうし、自然観察や土いじりなどから考え、創意工夫をしてやっていくことがこの「自然再生」という分野の仕事に必要なこととなります。


基準書だけを忠実に守っていく設計や施工では、自然再生の目的を果たすことが難しいということです。
自然再生の分野は様々な考えが入り混じり、発展途上なところもあり、日々進化しているところでもあります。
これらを理解してやっていくことが自然とうまくつきあうことのできた設計・施工方法なのかもしれませんね。

(総括としては、基準だけにとらわれない考え方を身につけることが重要で、自然をコントロールする考えから、自然と共生していく考えへシフトし、これらの考えを如何に理解し実行に移すことができるかだと思います。)

2011年11月6日日曜日

世界遺産のまち日光 ~ライトアップによる演出~ そして秋のイベント

栃木県の観光都市として、真っ先に思い浮かぶ都市のひとつとして「日光」があります。

紅葉の時期に合わせて、この3日~5日まで期間限定において、世界遺産「二社一寺」のライトアップが行われました。
そして、期間限定のライトアップと、紅葉のシーズンとも重なって、多くの観光客が訪れていました。


まちづくりの一環として考えた場合、活気のある夜の空間 というものも街の魅力のひとつになります。

温泉街などでは、夜の風情というものも非常に重要視されています。
日中の観光と夜の宿泊とが、観光客にとって思い出になる空間を創ることが出来るか、そうでないかで、その街が人気の在るまちになりうるか、ならないかになってくることだと思います。

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【ここで、夜の世界遺産を写真でご紹介いたします。】

まずはじめに、大谷川に架かる橋が神橋です。

まず、最初に見えるのが「神橋」(しんきょう)です。

神橋を渡ると、世界遺産の入口の参道が見えてきます。

二社一寺の入口にモニュメントがあります。

参道を上がると、まもなく日光山輪王寺がお目見えいたします。

日光山輪王寺境内にある、「逍遥園」(しょうようえん)
モミジの色がとても映えています

輪王寺のライトアップ。(三仏堂は現在修復中です)

そして、山内地区の表参道を上がっていくと、日光東照宮があります。

日光東照宮の五重塔

東照宮の表門

日光東照宮から北西側へ行くと、輪王寺大猷院と二荒山神社があります。

輪王寺大猷院 (たいゆういん)

二荒山神社の鳥居、参道

二荒山神社

夜の世界遺産(ライトアップ)は、期間限定で通常は見られませんが、大変貴重な光景でありました。

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日中と夜における、非日常の空間。

普段味わえない空間に浸ることができる場面は、観光要素の一つとしてとても重要であると考えます。

どの街でもそうだと思いますが、歴史的要素というものは観光の一つとなりえますが、その歴史的資源を活用し光をあてる事(注目できること)が、その街が活気づけるために必要なことでもあります。
(歴史を残す、再現するだけでなく、観光要素として活用すること(仕組み)を考えられるかどうかというところでしょうか。)

現在、日光は様々な秋のイベントを展開中です。
11/12~13は、JR、東武日光駅界隈~世界遺産地区周辺のエリア(日光の門前町)をめぐるまちあるきイベント「秋の日光マルシェ」も開催されます。

また、11/18~21にかけては、「2011日光そばまつり」も開催されます。

秋の日光は、様々なイベントで盛り上がっています。
東京からも、電車(JR、東武鉄道)でアクセスしやすいところです。

多くの方々に、とちぎの秋を楽しんでいただければ、栃木県も元気になると思います。


栃木県で空間の設計をするコンサル、一技術者としては、栃木県が盛り上がるよう微力ながら応援いたします。

2011年10月31日月曜日

とちぎのため池百選 ~小山市「大沼」~

全国のため池百選のひとつとして、栃木県内には小山市に「大沼」(おおぬま)というため池があります。
大沼を含めた羽川地区はとちぎのふるさと 田園風景百選にも認定されています。

ここは、春先は桜で満開になり、春~秋にかけて四季を通じた変化に富んだところでもあります。
そして野鳥も飛来し安らいでいる空間となっています。



最近、駐車場の一角に「なでしこ」の花が植えられました。
とても、色鮮やかですね。

なでしこの花(今年になって脚光を浴びるようになりましたね)


野鳥も安らいでいます。心を和ませます。

春先は、桜が満開です。毎日ウォーキングしている方がいます。

水路の景色もいいですね。
市民にとっても、野鳥にとっても憩いの空間。

このような空間大切にしたいですね。


(現在、外来魚の除去などを目的に、15年ぶりに水を抜いて池の大掃除をしているそうです。)

2011年10月16日日曜日

マロニエ景観賞を見る(観る)

今年も、「マロニエ景観賞」という 栃木県内のまちの景観形成に寄与するもの の表彰 が行われました。同じく、建築についても表彰が行われています。

【景観についての表彰では】
景観に関するものとしては、昨年度は日光の「龍の街路灯」などが表彰されています。

日光の「龍」をモチーフにした街路灯です。東武日光駅の近くにあります。(2010秋撮影)

今年度は、身近なところの造園デザイン的な作品としては宇都宮の中心部「二荒山神社参道(女坂)」が表彰されています。


宇都宮二荒山神社参道(階段)左側:大谷石を使用した庭園的空間(2011.1撮影)

建築的なものに華がありがちなところに、外構や造園的な空間について「光」をあて表彰があることは、都市の魅力を増すことにもつながります。

まちの中には、歴史的な文化財、魅力的な建築の他に、公園やいこいの空間もあります。


「あらゆる人々に対し、過ごしていて心地よい空間」 を提供することに寄与する。
公園緑地、ランドスケープ分野の設計をする技術者においては、忘れずに心得ておくことのひとつでもあります。

使って喜ばれる空間づくり、景観的にも美しい空間づくりを考えていくことは、都市空間のデザインをする技術者にとって必要なこと。そして、設計技術的には、土木技術を応用しますが、建築的な、都市的な空間デザインの思考も忘れてもならないこと(技術と感性の持ち合わせ)です。

公園などの外構をデザインすることは、土木的な思考だけで設計しないことが鍵となり、空間デザイン的思考、創造的な思考がどのくらい発揮できるかで魅力的な空間になりうるか、そうでないかが決まってきます。

魅力的な空間整備の先進事例 や 風景を大切にする土地の成功事例 などを参考に、これからも魅力的な景観(空間)をつくっていく、改良していく仕事ができるよう、我々も空間設計に携わる技術者としては日々精進していかなくてはなりませんね。
(イ)


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マロニエ景観賞とは、
(以下、栃木県のホームページより)
「美しい景観づくり」の促進に資するため、都市景観の形成、歴史・文化の創造及び建築水準の向上等に寄与するものと認められる建築物並びに良好な景観を表彰しています。

栃木県ホームページ マロニエ建築・景観賞について
http://www.pref.tochigi.lg.jp/h10/maroniekenchikukeikanshou-h23.html

日本造園修景協会栃木県支部よりお知らせ

(財)日本造園修景協会栃木県支部より うれしいお知らせがございます。

(財)日本造園修景協会 栃木県支部の支部長:藤岡義三様におかれまして、国土交通省公園緑地・景観課より、平成23年度都市緑化及び都市公園等整備・保全・美化運動における都市緑化功労者の表彰「功労賞」を受賞のご連絡が、同協会本部よりございました。

藤岡様におかれましては、本県の都市公園等整備・保全・美化運動に多大な貢献と実績を残し、栃木県の代表的な公園でもあります、栃木県中央公園の企画・設計・施工に深くかかわりを持ちました方のお一人でもございます。

栃木県中央公園「西洋式の庭園と奥には日本庭園がある公園です」
 

栄誉ある賞のご受賞、おめでとうございます。 



2011年10月14日金曜日

新しいまちのスポット ~大田原市金燈籠ポケットパーク~

大田原市の中心部にあります金燈籠(かなどうろう)。

まちの中心部の街道筋のシンボルとして、今までも大田原のまちを見守ってきました。

移設整備前の「金燈篭」

そして、先日「金燈籠」を同じ街道筋交差点の角(辻の広場)に再設置され、木デッキを設置された市民の憩いの空間として、街場の空間がリニューアルされました。

鍵型の道路の骨格は、主に城下町などで見られる道の形でもあり、歴史的なことを踏まえてもまちの中でも重要な箇所として位置づけもされていました。

往時の歴史の姿が街の中に残っていることは、その土地の文化を大切にする心も残っているということが言えることでしょう。そして、車社会になる前のヒューマンスケール的な面白い、なぜか心地よいまち場空間も残っているということでもあります。


過去の歴史的資産を活用しながら、現代のまちば空間へ再生を図っていくことは、都市の魅力を向上させるツールのひとつであることだと思います。


これからも、市民の新しい憩いの場から「金燈籠」がまちを見守っていくことでしょう。

(本日の(2011.10.14付)下野新聞にも金燈籠の記事が載っておりました。栃木に在住の方はご覧になることが可能です。)
同新聞のインターネット版はこちらになります↓
http://www.shimotsuke.co.jp/town/region/north/otawara/news/20111014/634996
(リンク切れの際はご容赦ください)


お近くにお越しの際は、まち歩きをすること(まちの建物観察や歴史、文化を観察することなど)と一緒にいろんなまちのスポットへお立ち寄りくださいませ。
きっと、何かしらの発見があると思います。

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【完成後の現場写真追加】
当社:SW氏撮影

(写真追加)2012.02.17 全景

(写真追加)2012.02.17 石碑

(写真追加)2012.02.17 ライトアップのLED足元照明

2011年10月3日月曜日

当社のゴーヤ その後

夏の大実験でのゴーヤのカーテン

10月となり、本格的に秋といえる時期(季節)となってきました。
ゴーヤの実がなるのもそろそろ終盤戦。

生産能力は少し落ちてきましたが、まだ実が大きくなってきています。(10/3 12:20)

南東側の窓はネットを覆い尽くしました。(10/3 12:20)

南側中央窓は元気がありません。(10/3 12:20)

西側窓はそこそこ。(10/3 12:20)
条件はほぼ一緒なのですが、なぜかこんなに違いが出てきています。
不思議なものですね。

2011年10月2日日曜日

宇都宮の公園紹介 「駅東公園」

宇都宮駅の東口から約1kmほど東側に「駅東公園」があります。
この公園の中には、散策路や子供たちの遊びの空間や広場、プールや噴水、電気機関車の展示など、遊びや憩いの空間的要素が詰まっている地区公園であります。

宇都宮市体育館(バスケットボールの栃木ブレックス本拠地)横に駅東公園があります。

ここは、宇都宮の公園の中でも市街地の中に設置されている公園の一つで、都市の中の憩いの空間という意味合いも含まれていることかと思います。

園内には散策路もあります。

公園内には、トチノキやプラタナス、イチョウ、ケヤキなどの高木が、樹形を崩さずきれいに生長し、緑の空間を演出しています。
また、キンモクセイやイロハモミジ、ハナミズキなどの樹木も見られます。

プラタナス(スズカケノキ)


手前がキンモクセイ、奥がイチョウ(銀杏が落ちています)

藤棚も立派に緑で覆われています。

ビル群に囲まれた中にある緑は、心地がいいです。

もう少しすると、紅葉が本格的に進んでくることでしょう。少しずつですが、葉も黄色くなってきました。

維持管理の行き届いていない公園などでは、高木の下は雑草などで覆われがちで見苦しくなってしまうことがありますが、ここではあまり高木の下の雑草は見られません。
高木が生長した結果、林床への直射日光の注ぎ込みが限られ、落ち葉も地表に落ちて覆われていることから、ある意味植栽の生態系として里山風景的に落ち着いているのかもしれませんね。

かけっこや軽スポーツなど自由に遊ぶことができる広場があります。

木々に囲まれたプレイロット「子供たちの遊戯広場」

郊外では、自由に使える広場空間は公園以外にもいたるところで見ることができますが、中心市街地部ではまとまった広場空間というものはなかなか存在せず、貴重な広場空間となっています。

郊外の公園空間では、緑に対するありがたさについてはあまり感じないという方もいらっしゃいますが、都心部においては、周辺が無機質な空間になりがちなので緑空間というものがそれと対比され人としてやすらぎの持てる、ありがたい空間になることができます。

公園に隣接する歩行者空間もいい感じです。

最近は、魅力的な公園空間、歩行者空間がなかなか創出することができなく、経済性、安全性が強調され、どこか人の安らぎを与えるという感性的なものが失われつつあります。

忙しい現代人にとって、人としての心身の安定に寄与する空間をつくっていくことは、公園緑地に携わっていく、創っていく技術者の役割でもあります。

過去の事例のいいところを継承しながらも、現代のニーズに応じたものをつくっていくことができるかどうかで、魅力的な公園空間になりうるか、そうでなくなるかが決まってくることだと思います。

2011年9月21日水曜日

台風にご注意ください。

今年は、いろいろと自然の猛威により大変な状況になっています。
これ以上、被害が出ないことを祈ります。

そして、安心して生活できる日はいつになったら訪れるのでしょうか?

緑のカーテン・網が斜めになって倒れそうです。(21日19:00ごろ)

会社の緑のカーテン、ゴーヤも台風の風雨により、倒壊しそうな勢いです。

外にどうしても出なくてはいけない方々、突風による物の飛散にご注意ください。

2011年9月7日水曜日

公園施設長寿命化計画 その後-2

9/6に(社)ランドスケープコンサルタンツ協会におきまして、公園施設の維持管理に関する講習会が開催されました。

内容的には、遊具の劣化診断、劣化状況を見極めるコツの話 や 公園施設長寿命化策定業務 の話題の講習会でした。
当日は、多くの方々が参加され、関心の大きさが伺えました。


現在、公園施設の長寿命化業務においては、いろんな自治体において、計画を策定している状況です。

業務の中においては、現状の問題として施設の「予防保全」、「事後保全」、(「予測保全」)の種別に関係なく、ライフサイクルコスト(LCC)の算出の項目になってしまい、どんなものでもLCC算出をしなくてはならないと、期待されていることであります。
→ 【現状の問題点として】 公園の管理計画 と LCC算出、LCCによる計画表 が混同されてしまっている。 (きちんとしたフローチャートにより(考え方が)改善される見込み)

国の方より指針を制定することを、3月の震災直前の講習会でお話がされていましたが、現在は、ある都市の事例をサンプリングとして調査し、結果の傾向を見定めている最中のようです。


現状で言えることは、

公園施設関係は、「予防保全」、「事後保全」の2種類に概ね振り分けが出来ること。
(「予測保全」は公園施設の規模ではあいまいさがあり、公園施設としては適用除外になる見込み)
→ 遊具は必然的に「予防保全」、LCC対象項目となる。
→ 公園施設は、自治体の考え方にもよりますが、「予防保全 or 事後保全」となり、LCC算出対象となるか対象外となるか、取り決めをしなくてはならない。

地方都市においては、遊びの頻度と劣化の進行状況が進んでいないもの(構造的には健全なもの)があるが、現状の安全設置基準には合致しない(既存不適格の遊具がある)ことで、別の意味で検討をすることが必要なこと。→状況に応じて管理自治体の考え方を整理しなくてはいけないことがい言えます。

遊具の劣化進行度を見定めるサンプリング数が地方では少ないことから、数式による算出が困難な場合も見られることもあります。(都市部と地方部では、圧倒的に遊具の数が異なります。)



植栽の維持管理についての話題もあがっているようです。

将来的な考えとしては、長寿命化計画を基に、公園の改修計画へつなげていくことも課題としてあります。(昭和40年代に設置された公園などが、全体的に老朽化している状況。時代のニーズにだんだんと合致しなくなっている状況が見られます。)

実際に、過去の考え方、配置の方法で各施設の長寿命化を行っても、使われないものに投資するのでは効果も薄いことは、理解できるかと思います。

来年度には、きちんとした方向性が見定められる模様です。
現状においては、矛盾点などを把握しながらも、既存の考え方を多少方向修正しながら考え方を整理し、進めていくしかなさそうです。

2011年9月1日木曜日

宇都宮市の目指すネットワーク型コンパクトシティー と 都市魅力の創造へ向けて

本日、宇都宮市総合文化会館において
都市交通システム講演会「うつのみやが目指すまちづくりと公共交通ネットワーク」と題しまして、宇都宮市長でもある佐藤栄一氏が講師となり、うつのみやのまちを考える講習会が開かれました。



宇都宮は栃木県の県庁所在地でありますが、宇都宮という地名は聞いたことあるけど、何県?にあるのという感じで、知名度は仙台や横浜といった都市と比べると少し陰が薄い感が拭えません。

しかし、生活のしやすさなどを全国指標で見た場合、「住みよさ、民力度、財政健全度...その他いろんな項目」が1位になっていたり、上位を占めている都市としては実力のあるところが うつのみや なのです。

栃木の県民性は、典型的な「出る杭打たれる。突出した考えが出てこない」といった状況で...
立地条件や自然条件、交通条件など、全国的に見れば好条件な土地であるにもかかわらず、突出した魅力が無い、影の薄い もったいない都市 とも言えます。

「住めば愉快だ 宇都宮」がキャッチフレーズになっています。

栃木に住む、いろんな考えを持つ人、技術者がいたとしても、それをまとめる、引っ張っていくことが出来ずにいます。他の県民から見ると、才能、発想という芽があっても育てていくということがうまく出来ない。

そのままでは、今までと一緒です。

せっかく、好条件の整っている都市うつのみやが埋没しないよう、いろんな(要素の)仕掛けを先取りしてやっていきましょうとの趣旨でした。

いつも栃木は、他県の事例が出たとたんに、まねをして急いで取組んで注目の機会を失ったり、ある意味大損しています。
こんな状況では、若者が都市に魅力が持てることはありません。

交通のことしかり、その他にもいろんなことを改善していく必要があります。
今までと同じような、従来の土木的発想で整備したらおしまい というのではなく、それを活用して持続可能な仕組み(サスティナブル構造)を創り、運用していくことが重要です。
構造物単体をつくるのではなく、それぞれのハード的資源をいかにネットワーク化、システム化していけるか。


今までは、そのものを単体で考えてつくったらおしまい、というような感じでした。
しかし、都市や人々の生活の場を創造していくことについては、つくったらおしまいでは無いのです。
先を見据えた都市システム、都市空間の創造をしていく必要があります。

ランドスケープ的な発想で、ヒューマンスケールの心地よい空間づくりも重要な要素のひとつであると考えます。その観点が大都市部と比べると抜けています。

栃木県民、宇都宮市民がいかに意識を変えることが出来るか?

今後の動きが楽しみです。

2011年8月31日水曜日

公園の設計は土木か?建築か?

一般的に公園の設計(街区公園などの都市公園)については、公共の場合は土木工事の中の公園工事の部類に入ります。

図面の書き方や数量計算、工事費算出の積算は土木ベースとなっています。
工事費の積算の場合は、通常の土木系積算基準+造園系の積算基準を用いて算出されるのが一般的であります。

公園の設計の場合は造園的手法に基づき設計されることから、土木的手法範囲の枠外のことも多くあります。
その場合は、工事費算出などについては「造園修景積算マニュアル、各地域で制定されている公園緑地積算歩掛り」などの、公園緑地、造園系の積算基準により、植栽や修景物などの特殊なもの、意匠的なものの積算を行います。

空間の設計の場合は、考え方としては土木の技術を用いることも多くありますが、明らかに違うのは線で捉える設計でなく、面や立体で考える設計となり、空間創造的には建築的思考、発想も必要な
分野であります。

設計図等の作図方法は土木でも、発想、創造の部分(中身の考え方)では建築的なことも。

土木と建築とのあいのこ(掛け合わせ)が造園などの空間設計の分野となります。

2011年8月30日火曜日

「デザイン」ということばのイメージ

日ごろから使われている「デザイン」という言葉。

デザイン = アート、創作、芸術 とおっしゃる方もいますが、実はちょっと違うこともいえます。

デザインという言葉は、「方向性を指し示す」という意味合いがあり、必ずしも個々の形のことだけを示すものではありません。

都市の計画、地域の計画、公園などの園地空間の計画などについては、機能とかたちをどう組み合わせて環境を形成していくかというところのことをデザインといいます。

都市計画 を デザインで言い換えれば 「都市デザイン・アーバンデザイン」
地域計画 を デザインで言い換えれば 「地域デザイン・農山村デザイン」
園地計画 を デザインで言い換えれば 「空間デザイン」

上記をひっくるめたデザインは、日本ではきちんとした形で確立はされていませんが、欧米では「ランドスケープ・デザイン」と言って、それぞれの建築・土木・都市計画の分野の調整役、束ねる役として、 ランドスケープアーキテクト の地位が確立されているようです。
日本だと、公園や外構空間の限られた敷地の計画をする技術者と認識されがちですが...。

都市やまちを形成する上では、土木的なこと、建築的なこと、都市計画的なことの建設系の他に、地域文化のこと、自然のこと、生活のこと、経済活動のことなどが、複雑に絡み合って形成されています。

デザインとは、ものの形のことだけでなく、機能やいろんな分野のことをひっくるめてプランニングすることを言います。

2011年8月19日金曜日

当社のゴーヤ

徐々に緑のカーテンのゴーヤも大きくなり。一部収穫もできています。

青々としたゴーヤの実

だいたい、17cmくらいの長さでしょうか。

南面東側と西面の緑のカーテンには、大分実がついてきました。

南面中央は調子悪いようで。生育状況も良くないです。
(プランターの配置位置が悪いのか、日照条件が悪い(日差しが強すぎる?)のか、それとも土の配合状況が悪いのか。水が不足しているのか。...)

2011年8月14日日曜日

夏へ向けての大実験-5

暑い日が続きますね。

当社の緑のカーテン「ゴーヤ」はその後。

南面東側の緑のカーテンは、ネット全体に埋まってきました。(8/14 9:00ごろ)
ゴーヤの実もできています。

黄色いゴーヤの花
出来たての小さなゴーヤの実


南面中央の窓は、なんだか元気がない。(8/14 9:00ごろ)

西側は、ネット全体に広がるというよりは上へ伸びている。 (8/14 9:00ごろ)
実が黄色いものも出現。熟れてしまっているのでもう食べれません。

もう少し、実の数が増えるかと当初想定していましたが、今の段階では、数えるほどしかありません。これから先、もう少し増えるでしょうか?(期待したいところです。)



まだまだ、暑い日が続くようですので、皆さま熱中症にならないよう水分補給をするなど、お気をつけてください。