2012年1月29日日曜日

デザインという言葉の意味合い

どうしても、デザインという言葉をいうと(聞くと)、日本人はものの形をつくりあげることのみという理解をしがちです。
アート と デザイン を混同しがちな一面が多々見られます。

本来は、デザインの中にも造形の部分だけでなく、機能の部分(使い勝手等)も考えられているのが本当の姿であり、アート(自己の表現)とは異なった意味合いがあります。

そして、普段から見ることが出来る「自然、風景、風土」の中にも、生活の営みなど人間とかかわり深いものが見え隠れしているものでもあります。(ある意味、文化的要素や生活デザインの部分が見え隠れしています。)

デザインという言葉は様々な意味合いがありますが、大学で教えられたこととしては「方向性を指し示す」、書籍等を読んで感じた意味合いとしては「クライアントの要望をまとめる」といったことであり、自己の表現とは少し意味合いが違うことがわかります。


文化的な視点からいえば、アートも重要な要素のひとつです。
ヨーロッパや世界の様々な歴史の積み重ねがある地域では、建物ひとつにしてもアート的な要素がかんじるところや、洗練されたデザインがされているところが見受けられます。
ですから、あれはダメだ、これはイイ、というように一つの視点でしかものごとを見ないで短絡的に判断してしまうことはやってはいけないことであります。

いろんな要素が複合的に絡み合って、生活の舞台があります。
空間のデザインでは、時には一つの視点で局所的にみることも必要なことですが、広く見据えてトータルでのバランスを考えることがとても大切なことなのです。

2012年1月24日火曜日

(計画段階における)植栽の植え付け密度や配置の考え方について

道路(並木)や公園、外構空間の植栽の設計において、植栽の種類の選定にも頭を悩ませることがありますが、適正な間隔と密度についても悩ませることがあります。
植栽の植え付け密度の考え方について、計画段階(施行直前の実施設計等の段階)では、低木や地被類は、いつの時期(供用開始直後、2~3年後、10年後...)を完成形にするのかを見据えることで、植え込み密度も変わってきます。



高木についても同じことが言え、密に植え込みをし、その後伐採(間引き)をするケースや、将来の生長(おおきくなること)を見越して最初から離して植え込むこともあります。
サクラ類を植えるときは、密に植えれば将来的に枝どうしがぶつかり合い、病気の発生に繋がったりする恐れがありますので、さくら並木ではおおよそ10~15m、20m間隔でよく植えられていますね。

雑木林をつくる場合は、苗木のときは密に植えて、大きくなるにつれ間引き(間伐)をしていくこともあります。林業では、間引いた木材を箸に加工し使うといったことも行われ、里地里山の保全、活用を行われているという場面を見ることもできます。ある意味、片っ端からの伐採ではないので、広い意味での自然環境の保全という意味をなしています。
木を伐採することに対しては、自然破壊ではなく自然を守る目的もあり、人々や動植物が共存して生きることへの里山環境の再生ということにも繋がります。


植栽の植え方や配置については、ある程度参考になる資料や考え方はありますが、整備予算や事業性質(公共なのか、私営事業なのかでも性質も違いますし)、発注者の考え、設計者の考えによって、方法、手法は異なりますのでこれといった完全な正解はない?のかもしれませんね。

性質や目的に応じて使い分けるということでしょうか...。

2012年1月23日月曜日

デザイン、アートの違い と 空間設計

「デザイン」 という言葉 と 「アート」 という言葉。

実は意味合いが異なります。

「アート」 といえば芸術の領域でもあり、形を表現する、自己表現することの世界が強いですが、
「デザイン」 という言葉は、同じ事を言っているようでも、発注者(クライアント)の要望に応じて方向性を指し示す、形を表現、実現させるといった ある意味芸術のみならず工学的な要素も含まれています。

(土木的)設計の観点からは同じように見られがちですが、上記の違いがあることを認識しておかなくてはなりません。
芸術的思考というものは軽視されがちですが、歴史に残っている史跡や建造物には機能や形のこだわりや当時の先端技術が詰まっており、時代が経つと文化的な資産として、まちづくりの資源としても活用できるものともなりえます。

設計において形を表現する事業に携わる場合や、公園や外構空間の設計に携わる技術者であれば、受注者、発注者にかかわらず、その点のことを把握しておくべきでしょう。



最初からレベルの高いことを考えすぎると何もてがつけられなくなる傾向もありますので、それぞれの技術者が、自分なりに考えていければいいかと思います。


地方で展開、実践している設計技術者レベルの底上げのためにも。

2012年1月4日水曜日

新年あけましておめでとうございます。

新年明けましておめでとうございます。

昨年度は日本全体においても、様々な大変な出来事がありました。
そして改めて、みなさまの絆を実感した年でもありました。

宇都宮二荒山神社 西側より

宇都宮二荒山神社 (1/4)
今日は、仕事始めに神社へのお参りを行いました。
祈祷の際、神主さんからの非常に感銘をうけるお言葉がありました。
「企業は利益を追求するものでもありますが、その先の社会に貢献することを忘れてはならない。」
というような内容でした。

目的は企業活動を通じて、世の中の役に立つこと、その先の人々の幸せを提供することであります。最終目標が企業利益ということではなく、結果として企業の利益に繋がること、その先の目標を見据えて仕事を行っていくことが重要だということです。
(利益の上にある目標や目的を果たして、はじめて利益を受けることができるという意味)


これからも、皆様の力になれるよう日々精進していきたいと思います。

今年もよろしくお願いいたします。

宇都宮二荒山神社境内にある、明神の井 龍がいます。

株式会社景観プランニング