建築・土木・造園についてや、電気・給水・排水の計画や設計においては、それぞれ専門としている技術者へ図面作成や計算などを依頼することがあります。
おのおのの技術者が、自分の専門としている分野について最善のプランを作成してくるのですが、それを重ね合わせた時には、おのおのの構造物が干渉してしまうことが多々あります。
抜けているものは、トータルなプランニング、調整をすることであります。
これらをまとめるには、おのおのの技術分野の特性を把握しておくことも必要です。
よくある失敗例
① 電気や給水の埋設管が同一埋設位置になってしまっている。深さも同じなので、干渉してしまう。
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埋設位置のとりきめ、並びをどうするかを決める必要があります。
② 単体同士の建物や構造物を設計しているが、平面図上にプロットしたときにお互いが干渉してしまう、高さのとりあい、おさまりが良くない。
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構造物の詳細な配置計画、構造物の大きさや基礎の大きさを考慮し、平面的な配置する位置や立体的には設置する高さを調整する必要があります。詳細な造成・配置計画をしていく必要があります。
③ 植栽計画をした際に、地表に見える構造物のみしか考慮せず、地下の配線や基礎構造物に根が干渉してしまうことが起こる。
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場合によっては、上記地下構造物を移動する。植栽の位置を差し支えない範囲で移動することが必要です。
④ 平面計画と構造詳細図の図化作業を分担した結果、 平面図上の割付と構造詳細図が一致しない。
⇒ 一度、詳細図を平面図上に重ね合わせ形が一致するか、他の構造物へ干渉しないかを見る必要があります。
特殊な構造物以外であれば、構造一般図、構造標準図があれば十分ですが、特殊なものや込入った構造物を設置する際には注意が必要です。場合によっては特記仕様書を作成し、施工側へ考え方を伝えることもします。
上記について、なるべく作業の手戻りにならないようにするには、
段取りが重要になることがいえます。単体の設計で任せておけば完結するものであれば問題はありませんが、面的整備の設計はいろんな要素が入り込みます。
標準図の貼りあわせで済む小規模なものもありますが、大規模なものではそうはいかないものもありますので、注意しなくてはなりません。
作業を分担したら、それらをまとめて調整する作業を加えることで、現場での
不具合は完全には無くならないにしろ、多少なり
減らすことは可能です。
実際に、図面と現場の形が異なることはよくありますが、図面には上記のことをきちんと整理した上で指示を明確にすることが必要です。それをもとに、現場の施工にて対応ができれば、きっときれいなものができることかと思います。