2011年12月14日水曜日

公園の設計は、道路設計の感覚だけでやってしまっては×?

公園空間の設計は、舗装などの固いものから、水道電気などのインフラ、植物などの生き物、遊びの空間の創出といった柔らかいソフト的なものが絡み合っている設計であります。

公園整備の先進地においては、これらの考えが発注者側および設計を請ける受注者側双方が特性を理解し設計が行われています。

地方都市においては、なかなか公園を主体として設計をする機会が無いことや、一般土木設計の会社が公園の設計を行うこととなってしまい、これらの考え方に偏りが生じた設計が出来てしまいます。


「ラウンディング」 という言葉
公園設計を行ったことがある技術者や大学でランドスケープ分野を学んだことがある学生であれば、当たり前のように聞く言葉も、地方だとまだまだ聞きなれないという技術者もいるのが現状です。

法面の設計で道路河川の土木的な考えでは、画一的な傾斜でびしっと決めるのが一般的ですが、造園的には、自然な心地よい法面形状を表現しなくてはならないところもあって、流動的な勾配設定が必要なこともあります。

園路の設計においては、自然のカーブを立体的にも表現することも必要なのですが、なにかぎこちないカーブになってしまったりも。

使う人が心地よいと感じる空間づくり、空間デザインが求められる のです。

道路などの土木設計の技術は用いても、そこに空間創造の感性を採り入れなければなりません。
そして、設計作業がテンポよく進むところとそうでないところのポイントが異なることろが一般土木設計と違うところです。
技術だけ知っていてもダメ、形を表現する能力や感性だけでもダメ、双方を操ることができる能力がないと公園などのやわらかいものの設計はうまく進みません。

形だけを重視した設計になってしまうと、インフラの取り合いなどに整合性がとれていなくどうやって工事をするの? ということもあります。

そして、形や風景を優先する、重視するところ、維持管理を優先するところなどをメリハリを持ってバランスよく取り込むことが求められます。


設計の かたいところ と やわらかいところ、びしっと決めるところ と そうでないところ の使い分けをバランスよく取り込み実践していくことが、公園などのランドスケープ分野、空間の設計に携わる技術者には必要なことです。
(設計技術的には、空間を阻害しなく風景や形を維持しつつも、利用や管理のしやすい公園づくりが求められます。バランスがなかなか難しい。熟練の技術を得ること と バランス感覚を常に養わなくてはなりません。理論だけでなく、実際に形にする表現力も必要です。知らない人からみれば簡単そうに見えても難しい、奥の深いものです。おさまりを程よく決められるというものでもあり。)


自然の空間やあそびの空間を表現する仕事でもありますので、自然がどのように生長していくか、こどもがどのように遊ぶことが出来るのか までを広く捉えて公園は設計をしていきます。

設計の仕事であっても、つくることがゴール地点でなく、活用される空間をつくり人々に利用され続けることまで目を向けて設計を進めることが究極のところ(ゴール地点)です。

かたちだけ でなく 使われ方へも目を向けること 大切ですね。