2011年12月17日土曜日

面の設計をすることに必要な要素のひとつ  かたち や おさまり のバランスセンスを常に磨くこと。

公園などの面的整備の設計は、道路や河川などの線的設計とは異なる部分があります。

前者は、ある意味建物(建築)でいう間取りや、形の綺麗さ、自然的さなどを求め、やわらかいところとかたいところをバランスよく配置する、あるいは組み立てることを求められます。

後者は、線形の美しさを求めることは共通の部分がありますが、どちらかというと機能面をしっかり重視し、デザイン面や表情の表現は、その次のことになってしまいがちです。


多くの人が集まる駅前などの空間においては、機能面を求めることと景観、環境面を求めることの双方の要素が必要となります。主要駅やターミナル駅では、その都市の顔ともなるべきところ(場所)ともなり、その表情がどうかであるかで、その都市が機能面重視の都市なのか、環境面も景観面も大切にする都市なのか(文化度が高い都市なのか)がわかります。





面的設計の公園やポケットパークにおいては、人々が憩う場所でもありますから、空間の美しさやおさまりを大切にすることが重要となります。
機能面だけ揃えていて、構造的基準等を抑えていても、空間のバランスがぎこちないと(アンバランスだと)せっかくの面的整備効果が発揮できないことが言えます。


都市のインフラは高度経済成長期やバブル時代に多く蓄積され、現在では都市の中のあらゆるところに整備したものがあふれています。

これらを、時代の変化に合わせて改変していくこと、再構成していくことが求められますが、リニューアルの設計をする上においては、改良(形や機能を良くすること)はOK でも、改悪(いじることで、形や機能が損なわれてしまうこと)はNGです。

現在は、機能面は当たり前のように求められます。そして、美しさも求められます。人のこころをつかむことや、注目されるような空間づくりが求められます。


形的にきれいな、あるいはおさまりの良い空間をつくること。

ある意味、芸術的感性の部分と、工学的知見の部分が必要な領域でもあります。
都市やもののかたちをつくる、設計をする ということは、芸術と工学の融合を追い求めることでもあるのです。


センス良く空間整備がされている事例は、大都市を中心に数多く見られますので、これらを観察しながらも、自分の頭でも考え、感覚を磨き、実践していくことが、面的設計をする技術者として必要な心得です。
形を表現する、美的センスは人それぞれ持ち合わせているものが違います。その中でも、よりよいものに近付けていくにはどうなのか。
必要な時になって、いきなりこれらのことを考えてもなかなかうまく実践できないことでもありますから、日々毎日の積み重ねにおいて、コツコツと感性を磨き、技術力も高めていくことは大切なことなのです。