2011年2月28日月曜日

デジタルとアナログの両立 と 使い分け

設計の分野においても、近年は特にデジタル一本化になりつつあります。
図面の納品においても、資料の納品においても電子データは必ず求められる時代になってきました。

では、考えることについてはどうか。

プランニングの世界においては、デジタル思考だけではうまくないこともあります。
微妙な表現、考え方においてはアナログ的な思考も必要なときがあるのです。

デジタルに慣れすぎたために、直感的、感覚的にスケールアウトやミスに気づかないこともしばしば。

建築や土木に限らず、図面は全てCADになっている世の中です。
設計を行う技術者としては、何らかのCADを操作できなくてはならないのですが、手書きを経験している技術者、手書きを知っている技術者、手書きの設計を知らない技術者とでは、考え方やデータ処理の方法も異なっているのが現状であります。
(世代によって、理解できること、理解できないことがあり、それが世代間ギャップを生んでいます。)


今の、30代から後半の世代は仕事や学生時代の設計課題において手書きも経験、エスキースも経験しています。
20代や今の学生の方々は、デジタル技術の発展により設計課題においてもCADを使うことがしばしばあります。
たった10年の差でもギャップを感じるのですから、社会人なりたての世代と定年間際の世代ではさらにギャップが激しいことはいうまでもありません。
しかし、プランニングの根本的なことは各世代共通なことかと思います。
(最近は、大学などでも手書き手法も見直されているみたいです。)


RLA(登録ランドスケープアーキテクト)の試験では、建築士の試験と同様に手書きの実技試験があります。これは、ゾーニングなどの分野から詳細の設計まであらゆる範囲のものを手書きで書き込んでいくものです。


自分の思い描いていること、形にしたいものをアナログ的に(紙面上でも、頭の中でも)書き出してからデジタルに書き写す。やわらかいあいまいな思考とかたいくっきりとした思考をうまく使い分ければ、設計においても機能的で綺麗なものができることかと思います。
一見無駄なように見えることかもしれませんが、書き出す数をこなした方が、やらないよりも知識や感覚を多く身につけることにつながります。


「じっとしていてやらない より まずは試行錯誤しながらもやってみる。」

手を動かした方が、要領を自然とつかんでいくことができます。こなした分、自分の身体に身についていればこなすスピードも最終的にはUPします。


ランドスケープとは、実は幅広い見方が必要な、いろんな考え方が必要な分野でもあります。
ひとそれぞれ、得意、不得意があることでしょうから、自分の出来ることからやってみて柔らかな頭をつくってみてください。大人になるにつれだんだんと既製概念に邪魔されて頭が固くなってしまいますので...。

アナログも制して、デジタルも制する。
過去のいいものを活かしながら現代のツールも活用し、時代に追従していく。

プランニング、デザインの世界ではどちらも必要なことであります。
自分ながらのアナログ、デジタルの使い分け活用方法、探ってみてください。