2012年2月28日火曜日

冨士山公園 ため池浚渫施工現場

芳賀町様と当社の共同パイロット事業
「冨士山公園」のため池改良(浚渫)工事

この事業は当社造園施工経験者と造園土木の設計者が、町のシルバー人材さまとの作業協力の下、予算をかけずに施工を行う新しいかたちの事業であります。

もともとは、田んぼ(棚田だった?)であり、過去にその場所を改良し、散策回遊できる木デッキ、湿地、池として整備されたものでありましたが、長年における土の堆積等で沼地化された風景となってしまい沈んでしまった感じの場所でもありました。上流から水はでているものの、池を活かした風景も失われてしまっていました。
そこをもう一度、「魅せることが出来る里地風な風景」を創出すること 人が訪れても恥ずかしくない風景づくり」 へと着手したのです。


池が沼地化されて、草もぼうぼうでした。(10月ごろ 草刈中) 
まず、手始めに草を刈り、作業環境をつくることにしました。

バックホウなどを使う大きな掘り起こしは、当社監理担当(施工経験者)が行い、施工計画、監理を設計担当者、杭打ちやマット敷きの手作業をシルバー人材において 施工を行っております。
冬季の施工でもあり、土が凍ってしまっているのが施工に苦労をかけているところであります。





固いところはバックホウにて掘削。冬場なので土が凍って固い。(2月はじめごろ)

通常、コンサルタントにおいては設計経験は豊富でも、施工経験は無し、もしくは希少でして、施工の苦労がわかりにくい状況でした。
今回は、施工経験のある当社監理担当により監修し、「施工側」と「設計側」のそれぞれの視点からみることで、はじめて形にした、形になったケースであります。


これから先の時代、このような事業においては、
少子高齢化社会への対応 と 限られた予算の範囲 において、整備を行っていく方法 のモデルケースとなることかと思います。

当社監理担当曰く、専門的な施工の部分 と シルバーさんの作業区分 との共存をどのようにうまくやっていくかが課題であるとおっしゃっていました。
施工側の考え、経験と 設計側の考え とが融合しないと、なかなか実現することは難しいようです。
(実際、当社40、30代設計部社員は(頭で理屈はわかっていても)施工の経験は無いので、とても勉強になります。)

木枠をはめ込み、堰をつくっています。シルバーさんの作品でもあります。

 現在は、最終段階に近いこともあり、バックホウなどの重機を使う機会は終わり、現在は手作業にて行っております。


このような姿で形(ベース)ができつつあります。(2/28)

これから先、春になり夏になるころまでにどうなるかが楽しみです。
きっと自然となじんでくることで、上から見てもきれいな景色となることでしょう。
そして、どのような植生が自然的に発生してくるのか楽しみです。

池にも微妙な段差(深いところと浅いところを造成)がつけられているので、水生植物がどのように生え、変化していくかも楽しみです。
何も無いところから、どのように植生が育まれ、回復していくのか、実際に見ることができるのはいい勉強材料にもなるのではないでしょうか。
(本などでなんとなくわかっていても、植生を理解し感じ取ることは難しい)



また、このような機会を与えてくださりました芳賀町様およびご担当者さま、労働力を提供してくださった町のシルバー人材のみなさま どうもありがとうございました。
後残り僅かですが、引き続きよろしくお願いいたします。


季節的にきれいになったころ、追加のレポートをしたいと思います。