2011年4月2日土曜日

盛土地形における被災状況

今回の震災において、栃木県内も県北、県東を中心にブロック・大谷石塀、屋根瓦の崩落、地盤の崩落などみられています。
(栃木県内は、今回の地震では震度6強でした。)

基礎地盤が岩盤のところは、被災が少ないのですが、造成地形において盛土形状のところは100年以上前の造作物においても土壌の崩落がみられます。
城跡など、昔の敵陣が入ってこないように急斜面で造られた土塁は、何百年も経って土壌が安定したかと思っても、ひび割れや部分的崩落は免れませんでした。

土塁の崩落 下に民家があると二次災害の危険がある。

その中でも、かろうじて高木の根によって周辺を脅かすような崩落を防いでいることが見られ、高木や地被類(芝・ササ類)が無かったら被害はもっと大きかったのだろうと推測できます。

植栽の力は少なくとも、自然の脅威に対しては、崩落の防止に一役、働いていることを改めて感じ取れました。
コンクリート等の土木構造物においては、許容範囲を超えてしまうと倒壊や崩落が顕著に見られ、一定の力以上加わると、一気に崩れてしまう症状が見られます。

かろうじて、高木の根によって崩落は防いでいるが、今回の地震の大きさを物語っている。


ランドスケープとしては、自然環境と土木・建築構造物、空間のありかたなど多岐にわたり考えていくことが改めて必要であると感じます。

復興へ向けて、これから先いろいろと考えるべきことは多くありそうです。