2011年5月26日木曜日

ランドスケープ といっても中身はいろいろです。

ランドスケープという言葉。

日本語にすると、造園という言葉に置き換えられてしまいます。
日本の造園というと、庭造りなどを連想させてしまい、グランドデザインの意味合いが薄れてしまうように感じます。
(海外のランドスケープという言葉とは、微妙にニュアンスが違うように感じてしまいます。)

実は、ランドスケープといっても建築や土木と違って、この言葉の定義づけが非常に難しいところです。


造園、ランドスケープ分野では、計画や設計、施工をしている技術者はいろんな思考の人が集まって仕事をしています。

自然植栽を重んじる自然派の人、都市的な空間デザインを重んじる建築や都市を考える人、公園などの自然と施設とが融合した憩いの場を考える人、箱庭を考える人、洋風的な景色を考える人、和風的な景色を考える人、日本の伝統文化、歴史を考える人...

言葉的には「造園」や「ランドスケープ」とひとくくりにされていますが、同じ言葉でも中身のアプローチの仕方は様々です。

植生が強い技術者もいれば、外部の生活空間を構成するのが得意な技術者、
広いことを捉えることが得意な技術者もいれば、狭小のおさまりを捉えることが得意な技術者、
理論が得意な技術者もいれば、形を表現するのが得意な技術者もいて、様々な技術者が集まっています。
ですから、それをひとまとめにするのはある意味大変なことでもあるのです。


それぞれの得意分野のいいところを抽出し、またお互いを尊重していくことがランドスケープ分野をとりまとめるひとつの鍵であります。

そして、ランドスケープ分野で完結するのではなく、都市計画、建築や土木などの他分野とも連携し、人々が住みやすい世界をつくっていくことが、おのおのの技術者に課せられた使命、共通の目標であります。