2011年5月7日土曜日

東関東における被災状況は

東日本大震災のつめあとは、東北だけでなく栃木県を含めた北関東、茨城県、千葉県がある東関東においても多く見られます。

茨城、千葉においては、地震による液状化現象と津波による被害が見られています。
重要伝統的建築群保存地区に指定されている千葉県の佐原の町並み(香取市佐原)では、伝統的建造物の破損や川底の隆起が見られています。
伝統的建造物に指定されていると、復旧するにも持ち主の意向だけでは復旧できなく、国の許可が必要となり復旧には長期化されることが見込まれます。

小野川 川底が隆起してしまい一時水の流れをふさいでしまった。

護岸や柵が崩壊している箇所が数か所見られた。

測量で有名な伊能忠敬の旧家も被災に

千葉県の浦安市もそうですが、香取市周辺や茨城県の神栖市、潮来市周辺は昔は砂地であったり、沼であったところもあり、それらを埋め立てた地域では、その場所を中心に道路が波を打ったり、段差が生じたり、電柱や家は傾いたりなどの被害が見られています。

マンホールが隆起 (香取市)
地震による道路の波打ちのほかに液状化により砂が吹き出て(堆積して)いる (神栖市)

鹿島港周辺の被災状況(神栖市)

また、北茨城~大洗と同様に鹿島港周辺、千葉県の旭市飯岡地区では津波の被害もありました。


津波により、貨物コンテナが陸地内部へ流れてきてしまった(神栖市)

津波の被害を受けた飯岡地区(旭市) 湾の中央が波が集中してしまい被害が大きい

今回の震災は、東北地方の沿岸地域は地震と津波により甚大な被害を受けましたが、関東地方の太平洋沿岸地域や東京湾沿岸においても地震、津波、液状化などの被害が見受けられています。

液状化の被災を受けた被災地域でも、数件となりは大丈夫であったりするところもあり、地盤の性質のほかに盛土造成されたところと、地山を造成したところとの違いによっても、被災の状況が違うことがわかります。

耐震構造で建物が地震の被害から免れたとしても、津波や液状化についてはスケールが違うことから被害をこうむってしまうことが今回明らかにされてしまった感じがします。
そして、個別の耐震対策は行ったとしても、都市を設置する場所が被災を受けるリスクが高ければ被害は出てしまいます。


公園においては、防災公園が新しく計画されつくられているところが多く見られてきていますが、津波の被害を受けないところにつくることも重要な要素のひとつでもあります。

復興へは、「まちをつくる総合的な計画」と「昔からある地域を守ること」などハード面、ソフト面含めていろいろと調整することがありそうです。